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Lake Tahoe Card Magic - Mike Maxwell

11-24,2015

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"Lake Tahoe Card Magic" Mike Maxwell - 1985

L&Lの社名の由来となったLouis FalangaとLarry Jenningsのカードマジック作品集です。メインはLouis Falangaの作品です。
Falangaの作品はパケットトリックが中心でエンドクリーンな作品が多いです。演技後はクリーンですが、ギャフカードを使用したりと事前の準備が必要な手順がほとんどです。
準備が必要と言っても特殊なカードの組合せはほとんどなく必要なカードはすぐに揃えられると思います。
現象自体もあまり複雑なものは少なく、パケットの面を隠しつつ進行して最後は多段クライマックスみたいな手順は無いのは割と好みです。
マニアが驚くような手順はありませんが、さまざまなプロットを取り扱っていてそれなりに読み応えがあると思います。

面白い部分はそれなりにあったのですが、個人的には技法の使い方の部分でしっくりこない作品が多かったです。
本書では2-4 count(DM count)の使用頻度がやや高く、冒頭でも解説されています。この技法自体嫌いではないのですが、そこで使って現象を見せるのはちょっと弱くないかと感じた場面がちらほらありました。
またBro.John HammanのBottom Double Dropの応用アイディアがいくつか紹介されています。Hammanが元々この技法を使用している作品"Acey Ducey"は技法が上手く機能した素敵な手順だったので期待して読んだのですが、イマイチ効果的に機能しているように感じませんでした。

各作品についていくつか紹介。

Virginia City Shuffle
Martin Lewisの名作"Sidewalk Shuffle"をギャフカードを使用せずに行なう手順。元々の手順が面白いこともあるのですが、これも良い手順です。
Sidewalk Shuffleのバリエーションについて調べているとこの手順のよく名前が挙がっています。
Michael Ammarも"Easy to~"で演じていていますが、個人的にはAmmarぐらいのテンポの方が好みです。

Fleur Du Lac Aces
Aとブランクカードを使用したジャズエーセズ風のアセンブリ。消え方がマクドナルドエーセズのように消えます。
色々なアセンブリの良いとこを寄せ集めたなかなか効果的な手順だと思います。ただブランクカード側が6枚になので、普通のジャズエーセズに慣れている側からするとしっくりこない感じはあります。
演技後のクリーンナップのアイディアとして紹介されているJenningsのスイッチがずうずうしくてなかなか好きです。
個人的には考えたこともなかったのですが、ブランクカードは普通の観客にとってなじみのないのがウィークポイントであると書かれています。印刷前のカードとかカードを無くした時に手書きするカードと説明するのはよく見かけますが、本書ではゲームをする際にディーラーがボトムに置くことで他の参加者からグリンプスされるのを防ぐために使うとの説明されており珍しいなと思いました。
Fleur Du Lac Acesとは"Flower of the Lake"の意味だそうです。かっこいいです。

その他にJerry Sadowitzの"Come Together"や、ブランクデックルーティン、"Devil's Elevator"等など十数作品解説されています。。
ほとんど作品についてはセリフもしっかり書かれています。現象、解説、セリフの順で解説されているため、解説中セリフ多く手順を追いかけにくいということはありません。


Jenningsの手順は5手順解説されておりカードの貫通現象"The Close-Up Illusin"を除きレギュラーデックで演じることができます。難易度はさほど高くなく、一部の彼の手順に見られる高難易度の手順やマニアックなハンドリングの手順は無いです。逆にそうした手順を期待して読むと物足りないないかもしれません。
5手順中3手順はオイル&ウォーター、オールバック、デビリッシュミラクルといったクラシカルなプロットで、いずれも手順自体にあまり目新しさはありませんが演者の負担と効果のバランスの良い作品が並んでいます。
記憶術をテーマにした2段構成のカード当て"Memoreverse"がなかなか面白かったです。1段目は選ばれた数字の枚数目のカードを言い当て、2段目は観客の選んだカードが何枚目か言い当て、なおかつ観客がカードを配るとその枚数目から選ばれたカードが表向きで出てくるというものです。技法のコンビネーションと数理原理で上手く構成された手順だと思います。ただ選ばれたカードがひっくり返って出てくるところと記憶術の演出がいまひとつハマって無い感じはします。

今年もL&L Publishing eStoreで全品60%offセールをやってます。本書は3ドルしないので十分に元は取れました。



"MAGIC (2014 June)"にL&L社とL&Lの観客特集記事が載っています。
パラパラと流し読みしたきり積んであったのですが、最近ちゃんと読み返したところ大変面白く、今回Lake Tahoe Card Magicが読みたくなったのもL&Lの特集を読んだのがきっかけです。
よく見かけるあのお客さんはそんな経緯で参加していたのかなどといったエピソードなどは面白かったのですが、まだまだよく見かけるのに名前がわからないお客さんが何人かいます。
誰か来年のマジケあたりで「観客これくしょん-観これ-」とか名前つけてL&Lの観客図鑑作ってくれないですかね。

Card Magic USA - Peter Duffie

11-01,2015

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"Card Magic USA" Peter Duffie - 2010

Peter Duffieプレゼンツで、米国のマジシャンのカードマジックオムニバス作品集です。
約50名による技法と手順が80作収録されています。
いろんな人の原稿をまとめてとりあえず1冊の本にしたという感じで解説のスタイルは人によってバラバラです。
活字だけの解説の人もいますし、挿絵が写真の人もいればイラストをつける人もいます。クレジットに関しても本当に人それぞれと言った感じです。
名前を聞いたことのなかったマジシャンもいれば、かなりのビッグネームも大勢名を連ねています。
この類の本に手を出す人は恐らく察しておられるかと思いますが、作品の質に関しては玉石混淆といった感じです。
また有名どころのマジシャンはさすがだなと思うような作品もあれば、名前で期待していたマジシャンがあまりおもしろくなかったりとかもありました。

個人的に面白かった手順をいくつか挙げておきます。

John Bannon - Aces Over Easy
4Aのプロダクションの後、Aをデックの中に裏向きでバラバラに戻すがスプレッドするとAが表向きになって一緒に現れる。
John Bannonらしく実に上手い手順構成。無理に力技でゴリ押すのではなく、巧みな策略で解決するあたりがさすが。
氏の著書"High Caliber"にも収録されているようです。

John Born - The Perfect Pick
嘘を言い当てる演出で行なうカード当て。
実際に演技を見たら相当に不思議に見えると思う。演技中演者はテーブルから離れ、観客が自由に選んだカードは演者が手掛かりをつかめないようポケットに隠してもらうなど非常にクリーンで不可能性が高く見える手順。
氏の著書"Seeking the Bridge"にも収録されているよう模様。

Bill Malone - Up My Sleeve
Card to PocketというかCards up the SleeveのMalone版。
先に映像で観ていて好きな手順でした。("Here I Go Again Vol3"にA Tribute to Johnny Carson !として収録)
それなりにハードですが、上手くまとまった良い手順だと思います。
また併せて解説されているSix Card Repeatも良作だと思いました。

その他にも割と好きなクリエーターのCaleb Wilesによるテクニカラーリセットとジェミニツインズの改案などもなかなか面白かったです。

また本書の最後にPast Mastersというレジェンド枠的な章も設けられており、Gene MazeやMichael Skinnerらの作品も載っています。
個人的にはRoger KlauseによるVernonのOut of Sight Out of Mindのアイディアについての部分が面白かったです。


玉石混淆とは言いましたが、面白い作品はそれなりにあるので何かしら得られるものはある本だとは思います。(上記に挙げた手順のように別の資料で発表されているものもあったりするのですが。)

Las Vegas Kardma - Allan Ackerman

09-21,2015

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"Las Vegas Kardma" Allan Ackerman - 1994

アメリカのマジシャンAllan Ackermanの作品集。
コインのリバースマトリックスが1作収録されていますが、それ以外はタイトルの通りカードマジックの作品集です。
技法もコントロール、パームを中心にいくつか解説されてり、全体の2-3割ぐらいを占めています。
Ackerman自身はスライハンドの名手ですが、手順の技術的な難易度はあまり高くありません。セルフワーキングトリックもそこそこの割合を占めています。
またAckermanといえばMarlo派のマジシャンだけあり、全体的にMarloへのリスペクトが感じられます。実際Marloのバリエーションを集めた"Some Marlo Gems"と名付けられた章もあります。

収録されている作品数も多く、幅広いプロットを取り扱っていますが、特にジェミニツインズとエースアセンブリの内容は充実しています。
ジェミニツインズについては4作収録されており、中心となるトリックは基本的に同じですが演出がバラエティ豊かです。
いずれもよくできた作品ですが、「テクニカルなカードマジック①」で収録手順の改案(違いはセットの有無ぐらいでほとんど同じ)を先に読んでいたので、やや新鮮さには欠けましたが、元となる作品や創作の経緯が面白く読めました。

エースアセンブリには、リバース、オーヘンリー、アルティメットアセンブリと複数のタイプのアセンブリ現象を取り扱っています。
リバースアセンブリについては本書を読む前から、他の本で何度か取り上げられているのを見ており、後発の作品への影響も大きいかと思います。

全体的に手順そのものは、手順構成や技法の使い方などが個人的な好みからはやや外れていましたが、特にアセンブリの章などは読みごたえがあり面白かったです。
また個人的には選ばれた4枚のカードを不可能な状況下で当てる"Impromptu Paul Fox"が面白かったです。

クレジットに関しては詳細で、誰のアイディアが元になったかであったり、過去の作品との違いなど詳細に書かれています。
ただマジシャンの名前や時期などは詳細ですが、元になった作品が発表された書籍の名前などはあまり詳しく書かれていません。

Dobson's Choice, Special Effects - Wayne Dobson

08-06,2015

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"Dobson's Choice, Special Effects" Wayne Dobson - 2010

Wayne Dobsonの作品集。
13作品解説されており、ほとんどはカードマジックですが、ボトルやシルクを使った作品も収録されています。
クロースアップマジック、サロン向けそれぞれ半々ぐらいの印象です。
本の作りとしては以前紹介した Dobson作品集"Look No Hands" とほとんど同じです。写真も少しありますが、解説の内容とは無関係で、解説自体は挿絵無しでテキストのみでの解説です。
"Look No Hands"では観客にすべて操作させるhands offというコンセプトの作品集でしたが、今回は演者も道具に触れますし、技法を使う作品もあります。しかし全体的にスライハンドの難易度は低く、hand offなマジックもあります。

Invisible Deck、 Five Card Repeatあたりが目玉の作品で有名どころだと思います。セリフや演技に取り入れているギャグもしっかり解説されています。ご本人の映像も見ましたがどちらも面白く、会場も大いに沸いていました。

以前も書いた気がしましたが、演出の部分の解説がしっかりしている手順とそうでない手順があります。上記の2作をはじめ演出部分をしっかり解説している作品については面白く読むことができました。
ACAAN Almostは演者が一切デックに触れないエニーカードアットエニーナンバー(っぽいエフェクト)です。トリックは極めて単純なのですが、ユニークな演出によって上手くはまればエニエニに近い印象を与えることができます。
観客が絶対有利なゲームで唯一のはずれカードを観客が掴んでしまうマジックSome You Win Some You Loseの解説ではほとんどを某有名フォースの解説に費やしておりやや物足りません。一応ゲーム形式という演出も付いていますし、観客からいい反応をもらえるであろう作品なのですが、それ単体でマジックになるようなフォースを使ったマジックなので Dobsonなりに工夫した部分の解説や、演出部分に力を入れてほしかったなと。

自分でやってみようという作品はあまりなかったのですが、楽しい演技をされるWayne Dobsonだけあり今回もなかなか面白かったです。

Effortless Card Magic - Peter Duffie

07-04,2015

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"Effortless Card Magic" Peter Duffie - 1997

Peter Duffieによるカードマジック作品集。紙媒体では既に絶版ですが電子書籍で読むことができます。
個人的には初めてのPeter Duffieの作品集でした。Peter Duffieはかなりの多作家なので何から手をつけたらいいのかよく分からなかったのですが、比較的評判の良さそうな本書を選びました。「The Best of Peter Duffie」という初Duffie本にちょうど良さそうなタイトルも見つけたのですが、ベストなのに5巻まで出ていて「お、おう……」ってなりました。

タイトルからセルフワーキングやサイコロジカルな手法を連想しそうなタイトルですが、それなりに技法を使う作品も収録されています。いずれもスライハンド的な難易度は低いです。

さまざまなテーマを十数章に分けて約50作解説されています。基本的にプロットや現象毎などで分けられていますが、HofzinserやBob Hummerの章というのもあります。
先日邦訳されたJohn Guastaferro『ONE DEGREE』収録のLOST & FOUNDに影響を与えた作品Clear to the Pointも解説されています。

全体的にトリックとしてはよくできていて、手順構成のレベルが高いので上手く作ったなと思わされる作品が多かったです。その一方で現象自体があまり魅力的ではありませんでした。また演出についてはあっさりしており、あくまでトリックといった印象を受ける作品が多かったように感じます。
序盤は現象は好みではないのに手順構成の面白さで結構読み進めることができて、50作もあれば現象が気に入る作品もそこそこあるだろうという感じで読んでました。ただ中盤あたりでもなかなか現象にハマる作品がなく、さすがに辛くなりました。
現象が面白いと感じるかどうかは、ある程度個人的な感覚になるので、現象がハマる人にとってはトリック自体がよく出来ているので面白く読むことができると思います。

宝探し的に大量の手順にあたることが苦でない人には、何かしら得ることができる作品集であるとは思います。
個人的にはもう少し作品を厳選した作品集にしてくれると読みやすなと。
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