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The Commercial Magic of J.C. Wagner - Mike Maxwell

02-28,2015

wagner cover (1)

"The Commercial Magic of J.C. Wagner" Mike Maxwell - 1987

バーマジシャンとして活躍したJ.C. Wagnerによる作品集。
個々の作品はバーマジシャンらしく現象がはっきりしていて効果的な作品が並びます。
一般のお客さんから大きな反応が得られる実用的な手順が多いのですが、なかなかマニアックなアプローチの作品もあり、マニアが見ても十分楽しめると思います。収録されているマジックのほとんどがクラシックプロットの改案であり、奇抜な現象はあまり見られません。クラシックの巧妙な改案集として松田道弘氏の著書でも勧められています。
全体的に準備の負担が少なく、レギュラーカードで演じることができるものが多いです。ハンドリングについては無理がなく、ほどほどに難易度が高い手順が多い印象です。

以下それぞれの章について

・Commercial Stunners
カード・オン・シーリング、ジャンボカードを使ったトーンアンドレストア、スペリングを使った4エースのプロダクション~最終的にデックを4スートに分ける大ネタJ.C.'s Super Closerなど。
個人的にあまり研究していないテーマの作品が多かったので、正直他の作品と比較しての善し悪しの判断があまりできないのですが、いずれも実践で磨かれた優れた手順です。Jumbo Torn And Restored Cardが説得力があって良い手順だと思いました。

・ Four Ace Routines
ツイスティング現象と絡めたコレクターや、ヘンリークライストの4エース、4エースアセンブリ数手順などが収録。
個人的に好きな4エースのテーマが並んでおり特に楽しく読むことができた章でした。2手順紹介されているコリンズエーセスについては、いずれも最後のプロダクションにオーソドックスな配り直しによる方法を使っていません。
1つ目はすべてのパケットから4エースが消えた後、最後にエースを消したパケットにおまじないをかけると4エースが集まるもの。(説明しにくい)
2つ目はヘンリークライストの4エース風のプロダクションに繋げる手順。
この章の中で「最近じゃ4エースルーティンは10セントで1ダース買えるほどありふれてる」との一文があって、「昔松田さんの本で読んだ文章だ!」とちょっとテンションが上がりました。

・Coin Magic
ジャンボコインのプロダクションがオチのマトリックス、コインスルーザーテーブル、2カッパー1シルバーの3作。

・J.C. On Estimation
お客さんが心に思っただけカードを当てるEstimationとその応用、またアウトとして繋げるカードアンダーザグラスなどの解説。
上手くはまれば非常に気持ち悪いマジックで、アウトの解説も充実しており面白かったです。
この種のマジックはDerek DingleとRon Wilsonの解説しか読んだ覚えがないのですが、私が疎いメンタル系の分野でもっと研究されているのか、私のただの勉強不足なのかよくわかりません。

・Packet Magic
ジプシーカースのバリエーションなどギャフカードを使用した手順が3作

・Card Magic
ギャフカードを使用しないワイルドカード、トライアンフの改案などのカードマジック。
テクニカルなものからセミオートマティックに近いものなどバリエーション豊かな作品が紹介されています。

解説については、挿絵がない手順もちらほらあってもう少しあったほうが読みやすいなと思う部分はあるものの、テクニカルな部分については十分に挿絵が入っているので理解に困る部分は特にありませんでした。
クレジットは詳細とまではいきませんが、元となる作品や原案者などについては明記されています。
全体的に上質でバランスがよく、名著として挙げられるのも納得できる一冊でした。



現在では紙媒体での入手はなかなか困難かと思われますが、L&L Publishing eStoreより電子書籍で販売されています。
昨年末にL&Lで全品60%offというちょっとどうかしてるんじゃないかと思うようなセールをしまして、そのとき購入したのでかなりのバーゲンだったのですが、通常価格でも$14.95ほどで購入できるので値段に対して十分見合う価値がある一冊です。
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A Book in English - Woody Aragon

02-21,2015

bookinenglish-full.jpg

"A Book in English" Woody Aragon - 2011

スペインのマジシャン Woody Aragonによる作品集。
内容は以下の章に分けられています。

・Sleights and moves
オリジナル技法とその応用例などが収録。
特にTHE SEPARAGONに多くのページが割かれていて、写真も多く交えながら詳細に解説。

・Tricks with any deck
セミオートマティックなマジックを中心としたレギュラーデックで行える作品を解説。
代表作ROUTINED SPELLINGをはじめ、Pit Hartling絶賛のWeighing the cardsルーティン、ポーカーデモンストレーションなどを解説。

・Tricks with special cards
オーソドックスなギャフカードや、やや特殊なカードを使ったマジックの解説。
カードのマークが透明なカードに飛び移るトリックや、消失の度にフェアな改めができるカニバルカード、クロックトリックなどが収録。

・Sleight of math…
ファローシャッフルやギルブレスプリンシプルの原理や、応用についての章。

・The Permanent Deck Principle
ファローシャッフルのある原理を応用させたThe Permanent Deck Principleの解説とそれを応用したマジックを解説。
ESPカードや絵葉書、またスロットマシンの絵柄が描かれたカードを使用するなど、トランプ以外の素材を使用しているものが多いのが特徴。

・Articles and essays
Ricardo Rodriguezとのインタビューや、マジックの理論の章。
数理マジックの理論や構成の話や、影響を受けたマジシャンの話など。

収録されている作品については不思議で演出もユニークな面白いものが多く非常に楽しめた1冊でした。
とりわけセミオートマティックな作品に関しては、まず追えない巧妙な作品が並んでいます。手順をなぞりながら「おお」と自分でも驚くものもちらほらあります。またThe Permanent Deck Principleの章では原理をカード以外の素材に応用したりと各テーマがよく研究されています。
作品の特徴として、現象が非常に不思議な一方、なかなか重い作品が多いなと感じました。多数枚〜フルデックでのスタックが必要であったり、手順を覚えるのが大変な作品が多いです。そのため気軽にレパートリーに加えることのできる作品は限られるので、ライトなトリックを求めてる人には向かないかもしれません。そうは言っても作品自体は強力なものが多いので、準備や練習に時間を費やす価値は十分にあると思います。


昨年スペインではWoody Aragonの新刊が出版されたようです。メモライズドデック系の本のようで英訳が待たれます。(できれば邦訳がいいですが、まず出ないでしょう……)



収録されている作品の中にMAVERICKというエスティメーションのデモンストレーションがあるのですが、タイトルの元ネタになっているメルギブソン主演の映画「マーヴェリック(Maverick)」が非常に好きです。ポーカー大会で一攫千金を狙うコメディ映画です。
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