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The Expert's Portfolio No.1 - Jack Carpenter

12-11,2016

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"The Expert's Portfolio No.1" Jack Carpenter - 1997

Jack Carpenterのカードマジックの作品集。
ブログで以前取り上げた、"Modus Operandi"と同じく前半カードマジック、後半ギャンブリングデモンストレーションの構成。

カードマジックのパートでは6つの手順と2の技法が収録。
手順に関しては、シカゴオープナー、3カードモンテ、Aアセンブリ等、扱うプロットに特に偏りはありません。
本書の冒頭で自身はピュアリストでギャフは使わないと書かれており、すべての手順がレギュラーデックで演じることができます。

A Potent Presage
Gemini Twinsをした時にした手順。
3つの予言が一致した後、4オブアカインドが現れるクライマックスがついた手順。
最初の予言が一致する部分が、表向きに入れたカードの隣のカードが一致するのではなく、最終的に出来上がった3つの山のボトムが一致するといった現象です。台詞もその辺りを曖昧にと書かれており、一般的なGemini Twinsに比べて現象がややぼやけた印象。
構成自体は上手く出来ていて、豪華な手順ではあります。

Simplex Backfire
バックファイアアセンブリー。それまでに発表した作品についても触れて解説。
バックファイア部分の解決法があまり好みではないのですが、全体的な流れはなかなか好きです。

技法についてはいずれもカラーチェンジです。
ひとつはJack Carpenterの代表的な技法でもあるThe Impulse Change(デックにアウトジョグで突き出されたカードが変化)、二つ目はテーブル上でカットして取り出してみせたカードが変化する(説明が難しい)The One-for-One Change。
いずれも少し変わった状態での変化で面白いです。
The One-for-One Changeはなかなか使い道が思いつかないのですが、面白い使い道がありそうなで、マニア心をくすぐられます。


The Expert's Turn to Dealと名付けられたギャンブリングデモンストレーションの章が全体的に面白かったです。
※DVD Jack Carpenter Expert Gambling Routines(未見)と収録内容はほとんど同じようです。
スタッキングのデモンストレーションが多い印象で、解決策はリフルシャッフル(+ランニングカット)でのコントロールとフォールスディールのコンビネーションが中心です。
ギャンブリングテクニックを駆使している感じが、個人的に練習していて非常に楽しかったです。

The Sweep Control
リフルシャッフル〜ランニングカットの後、デックを4分割すると各パケットのボトムが4A。
似たような手順で使われがちなスリップカットやクリンプを一切使用しておらず、マニアが見ても追いにくくて、不思議だと思います。
鮮やかな現象ですが、あまりフラリッシュっぽくなりすぎないところが非常に好みでした。

Nine Angry Men
ten-handed stackを1度のシャッフルで達成します。
それなりに難易度はあるのですが、上手く構成されているので無理のある手順ではないです。

Nova Royale
Freeman Displayから5枚目が出てきて、最終的に星型(ヒトデっぽい形)でロイヤルフラッシュが現れます。
現れます。
出現の形が今ひとつ惹かれず。


"Modus Operandi"より本作の方が好みで、実際やってみようかなと思う作品もちらほらありました。
ギャンブリングデモンストレーションに興味がある人にお勧めです。

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Evolution - Bill Goodwin

12-01,2016

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"Evolution" Bill Goodwin - 2011

Bill Goodwinのレクチャーノート。
技法を含め16作品収録されていますが、Rotatorという技法とその応用、Larry JenningsのCountback Acesのバリエーション、Duplex(エレベーターカード現象の一種)とそのバリエーションがメインを占めており、その他の作品が数作といった感じです。

Rotatorはカードの天地の向きをひっくり返したように見せて一部ひっくり返っていないというなかなか地味な技法です。
応用作品として4枚のジョーカーがひっくり返る(裏表ではなく天地が逆転)The Tumblersや、天地を使った古典的なカード当てについて説明しながらデックの天地の逆転現象などを見せるReversal Tutorialが収録されています。
またRotatorを使用したクリンプの隠蔽方法も紹介されています。

Countback Acesは観客が任意でデックをカットし、その枚数からある法則に従いカードを配り最終的に出来上がった4つの山から4Aが現れるというものです。
現象自体はちょっとした足し算が出てきたりとやや数理トリックっぽさがあるので、好みが分かれるかもしれません。
Larry Jenningsの作品をはじめ、Gordon Bean、Helder Guimaraesらのハンドリングを含む7作のバリエーションが収録されています。
配り直しのスピードアップを図る改案であったり、別の現象への応用などさまざまな角度からのアプローチが面白かったです。
個人的には巧妙なアイディアでスピードアップを図ったHelder Guimaraesのバリエーションが良かったです。この人こういった作品も作れるのだなあと感心。

Duplexは4枚のカードで行うミニマルで一風変わったなエレベーターカード現象です。
上手く構成されており、やっていてなかなか気持ちのいい作品です。
バリエーションの2作はアイディアは面白いですが、個人的にはシンプルな原案が好きです。

その他Bro.John HammanのProtean TwinsのBill Goodwin流のハンドリングや、計算機をテーマにしたPocket Calculatorなどが収録されています。

全体的に派手さはなく、やや好みの分かれそうな内容のため、万人受けする内容でないかもしれません。
個人的には1つのテーマに対する様々なアプローチや、あまり見かけない現象などが面白く、またクレジットに関してもさすがのGoowinという充実さで良い冊子でした。

Cards on the Table - Jerry Sadowitz

08-26,2016

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"Cards on the Table" Jerry Sadowitz - 1989

Jerry Sadowitzのカードマジック作品集。
クラシカルなテーマが多いのですが、見せ方がユニークであまり他では見かけないような作品が並んでいます。
本書の冒頭でも触れられていますが、Roy Waltonの影響が全体的に目立ちます。
収録作品を幾つか紹介。

Consolation
デックのボトムにある4Aとテーブル上のカードの交換現象。やや妙な位置関係の交換現象ですが、ギャンブリング風の演出が面白く、なかなか興味深い作品に仕上がっています。

Ambitious Spots
ピプスが少しづつ上がってくるアンビシャスカード。

The Card that doesn’t go to Pocket
カードトゥポケット。最後には選ばれたカード以外のデックが4つのポケットに移動。

個人的にはThe Backward Card Trickというオーソドックスなカード当てを逆の順序で行う(カードを当てるところから始める)作品が大変気に入りました。
トライアンフやトーンアンドレストア現象のバリエーションでたまに見かける時間を戻すといった現象ではなく、順序がそもそも違うシュールさが面白く、オチも綺麗にまとまっています。

現象や演出の面で面白さを感じる作品が多かったのですが、自由に好きなカードをコールさせて演じるトライアンフや、観客に途中で例の質問をしないOut of Sight Out of Mindといったマニアックな方向性の作品もあります。

その他に技法の解説の章で技法が4種解説されています。

様々なテーマを扱っており、ユニークなアプローチの作品が並んだ面白い作品集でした。
もっと多くの作品にも触れたいのですが、いろいろな事情があって手にすることができる資料は限られるようです。

4 F Ⅻ - Daryl

05-02,2016

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"4 F Ⅻ" Daryl - 2016

先日箱根で開催されたコンベンションでのレクチャー内容をまとめた冊子です。
コンベンション後、各地でレクチャーを開催されておりそちらの方に参加しました。
冊子の感想というよりレクチャーの感想に近いかもしれません。

演技中のストレスを出来る限りなくしたいとのことをレクチャー冒頭でおっしゃっていただけあり、収録されている作品は演者の負担が少なく、効果的な作品が並んでいます。
単純に難易度の高いスライハンドを使用しないこともありますが、技法を用いる場面では適切なミスディレションやカバーが伴うように構成されており、ほとんどの手順がエンドクリーンになるように構成されている点も特徴です。
また技法の使い方としては、現象を起こす瞬間に技法を使うのではなく、現象の時点ではすでに裏の仕事を済ませている作品が多いです。

The Effect-less Methodと名付けられたエッセイで、観客の間違った思い込みをより強固なものにさせるために技法を用いるという策略が紹介されています。レクチャーで肝になる部分のひとつであり、本書でも具体的な作品を紹介しながらわかりやすく紹介されています。秘密の動作に疑念が抱かれにくくなることやエンドクリーンに終わることができることにもつながる策略でありなるほどなと。

いくつか作品の紹介を。

Bennet’s Boner
Horace Bennettによる破いた紙玉の復活。従来の手順のようにパームやスイッチが必要ではあるのですが、巧妙なハンドリングのおかげで、非常にストレスの少ない手順だなと。

Hyper-Bent-Elation
売りネタにもなっている、ハイパーカードを使ったマジック。
現象も奇妙でいいですが、秘密の動作が演技の早い段階で終わっているのも良いです。

Audio Transposition
2つのおもちゃの音が入れ替わるマジック。
The Effect-less Methodで具体例の一つとして紹介されています。実演を見たとき完全に引っかかって現象も面白かったのですが、この冊子での解説はちょっと簡潔すぎて現象が伝わらないように思います。

これまでDarylのマジックに対して抱いていたイメージは、明快な現象をオーソドックスなハンドリングで構成されているといったものでした。
改めて作品について触れて考え方を知るとオーソドックスな手法の中にもしっかりとしたDarylのタッチを感じることができました。

Darylはレクチャーが上手いのは知っていましたが、実際大変良かったです。解説がわかりやすく、細かな考え方を知ることができたことももちろん、解説まで楽しませようとするエンターテイナーっぷりが素敵でした。
個人的にレクチャーに参加すると、解説いらないからもっといろいろ見たいって場合が結構多かったりするのですが、今回はレクチャーという形式で非常に良かったなと思いました。

7 Card Effects - Gabi Pareras

04-21,2016

7 card effects
"7 Card Effects" Gabi Pareras - 2014

Gabi Parerasのカードマジック作品集。
タイトルの通り7手順のカードマジックが収録されています。
収録されているプロットはサンドイッチ、トランスポジション、ポーカーデモンストレーションなど。
比較的軽めの小品が多いです。
解説は文章のみで、ほぼトリックの骨組だけを簡潔に書かれています。
演出の部分の記述は少なく、クレジットもほぼありません。
解説の文章にややクセがあり読み辛かったです。
私の読解力の問題もあると思いますが、作品によっては正確に手順をなぞるのもしんどいものもありました。
映像”five card magic routines”では解説も詳細で面白かったのですが、この作品集については残念な出来でした。
作品自体の良し悪しより解説が良くないために作品の魅力を伝えきれていないですし、知りたい部分が省かれているのでちょっとなあと。
相当な知識、技術、構成力を備えたGabi Parerasの作品なのでそれなりクオリティはあると思うのですが。

Card in the box
デックでサンドイッチされたケースを、ダルマ落とし的に弾きとばすスタントを使ったトランスポジション現象。
”Doug Edwards Packs a Wallop”でほとんど同じ手順を読んだのですが、特に言及はありません。

Sandwich at number
1段目は通常のサンドイッチ現象、
2段目はサンドイッチ状態のカードが消失した後、デックの中の観客が最初に決めた枚数目から出てきます。

Poker Prediction
完全にカードが混ざった状態から行うスタッキングの一種。
適切に演じることができれば不思議な手順だと思うのですが、いかんせん解説が読みにくく理解しづらい。

他の作品集も読みたいのですが、ほとんどの著書がスペイン語なのでちょっと手が出ないです。
解説も詳細っぽいですし、面白そうなのあるのですが。ぐぬぬ。
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